白い詰め物・被せもの(メタルフリー)が全て保険治療で可能に
- 2024年6月20日
- メタルフリー
歯科のメタルフリー治療について
近年、歯科医療において「メタルフリー治療」が注目を集めています。メタルフリー治療とは、歯科治療において金属材料を使用せず、代わりにセラミックやジルコニア、レジンなどの非金属材料を使用する治療法のことを指します。この治療法の利点は多岐にわたりますが、特に審美性、アレルギーリスクの軽減、そして生体適合性に優れている点が挙げられます。
今年6月より、条件はありますが、単独歯において、前歯も含めた全ての歯に白い被せもの・詰め物がCAD/CAM冠(ハイブリッドレジン)を使うことが可能になりました。一番奥歯はPEEK冠と呼ばれるもので可能でしたが自然な白さの観点や新素材の扱いの観点から、昨今、広く普及できていない状況でした。今回は広く普及している素材での変更となります。
メタルフリー治療の利点
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審美性の向上 メタルフリーの材料は天然の歯に非常に近い色や質感を持っており、見た目が自然です。特に前歯など、目立つ部分の治療においては、メタルフリーのセラミッククラウンやジルコニアクラウンが広く用いられています。これにより、治療後の歯が周囲の歯と調和し、美しい笑顔を保つことができます。
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アレルギーリスクの低減 金属アレルギーを持つ患者さんにとって、メタルフリー治療は非常に有益です。金属材料を使用しないことで、アレルギー反応のリスクを避けることができます。これは特に、長期間にわたり口腔内に金属を装着する必要がある場合に重要です。
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生体適合性の高さ メタルフリーの材料は生体適合性が高く、歯肉との調和が優れています。これにより、歯肉の健康を保ちやすく、炎症や歯周病のリスクを低減することができます。ジルコニアなどの材料は特に耐久性が高く、長期間の使用に耐えることができます。
メタルフリー治療の材料
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セラミック セラミックはその審美性から、クラウンやベニア、インレーなどの製作によく使用されます。セラミックは透明感があり、自然な歯の色調を再現するのに適しています。また、汚れや変色にも強いという特徴があります。
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ジルコニア ジルコニアは非常に強度が高く、奥歯などにかかる強い力にも耐えることができます。ジルコニアクラウンは金属の強度とセラミックの美しさを兼ね備えており、審美的かつ機能的な補綴物として評価されています。
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レジン レジンは比較的安価で加工がしやすく、主に小規模な修復や前歯の修復に使用されます。最新のコンポジットレジンは自然な色合いや透明感を持ち、審美的な仕上がりが期待できます。保険適用かつ、ある程度の自然な白さ・違和感の少ないハイブリッドレジンブロックもこの部類です。
メタルフリー治療の注意点
メタルフリー治療には多くの利点がありますが、全ての患者に適しているわけではありません。材料の選択や治療方法は、患者の個々の状況や希望によって異なります。また、メタルフリーの材料は技術的な要求が高く、厚みも必要なため金属に比べ削る量は増えます。そして、全ての歯科医院で行っているわけではありません。
結論
メタルフリー治療は、審美性や生体適合性の面で多くの利点を持つ現代歯科医療の重要な選択肢です。患者の健康と美しい笑顔を保つために、適切な材料と治療法を選ぶことが求められます。歯科医師との相談を通じて、最適な治療法を見つけることが重要です。
気になる方、ご質問のある方は、長崎県長崎市にあります、いのうえ歯科 道の尾オフィスに、是非相談してみてください。
最近の症例をいくつかご紹介します。
保険範囲内で行っております。
とても自然になったと思います。非常に満足いただけました。
井上大雅